彫金の先生
レッスン中に、
となりのイタリアンレストランのシェフが
先生を口説きにきた。
背が高くてイケメンで、スーツ着てカッコよかった。
先生「ごめんなさい、今レッスン中なの」
シェフ「またくるね」
ははぁ。ジブリみたい。
おしゃれが好きなもの同士、
浴衣や、ドレスや、着物を着てよく出かけるらしい。
いいなぁ。
「先生、笑うかもしれないけど、わたしは、好きな男とは、一緒に住みたくないんです。」
と唐突に聞いたら
「好きな男なら住めるよ。」
と言っていた。
友達にそう返されたら
「なんで! その根拠は!? ねえ! 教えて!」って
つっかかりそうだけど
先生が言うので
「そうか・・・」となった。
「嫌なところって、必ずあって、それがねえ、たくさん重なると、継続が厳しいんだよね。」
そうなんだ・・・。
先生は、離婚した後もいっぱい恋愛を楽しんでる顔をしている。
俺にはわかる。
「恋愛はたくさんしたらいいよ。たくさん泣いてたくさん笑うじゃない。涙なんて、滝のように出たりするじゃない。そんなこと、恋愛以外にある?」
せ、せんせい。。。
「先生はシェフと付き合ってるんですか」
って聞いたら、
「だとしたらもっと連絡欲しいわね」
ってさ。
シェフ。もっと連絡をしろ。
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